新橋で朝を迎え上野へ。
本来の目的はというと、上野公園内にある東京都美術館にて作品の搬入・設置であったが、当然自分の作品を展示することはないので何だか半関係者・半部外者といったような不思議な心境。 ところが会場に入るとそんなことはどうでもよくなった。 ズラリと並ぶ入選作品の数々。 そのクオリティーの高さには圧倒された。 造形の良し悪しなどは勿論わからないが、その一つ一つが心を懸け丹念に作り込まれていることは、素人である俺にも十分過ぎるほど感じ取れた。 大納得。 この中に俺の作品が並ぶなんてとんでもない。 もし並ぼうもんなら作品から冷や汗が滲み出てきそうだ。 来てよかった。 自分の立ち位置がはっきりと認識できたし、まだまだ制作に臨む姿勢の部分で見直す必要があることがわかった。 そんなことを思いながら設置の手伝いを済ませると、朝とは一転し不思議と晴れやかな気分になっていた。 先生に挨拶を済ませると、懇親会に参加することもなく足早に会場を後にした。 (展示会情報はコチラ 面白いと思うのでお近くの方は是非) さて、己の小ささを思い知った後は巨匠の偉大さを感じよう。 同公園内の上野の森美術館にて催されている「ダリ回顧展」に行った。 東京組の一人と待ち合わせ、入館口に向かうと何とそこには長蛇の列。 そうこの日は爽やかな秋晴れの日曜日。 しかし心折れてる場合じゃない、滅多とない機会なのだから。 覚悟を決め待つこと3,40分。 ようやくあのダリの世界に浸れる、と思った矢先。 中は外よりもえらいことになっていた。 人が入り過ぎていて集中して作品が観れない。 シュルレアリスムのバーゲンセールといった様相だった。 元々人ごみが苦手な俺は、徐々に気分が悪くなりあえなくリタイヤ。 怒りと不甲斐無さを抱えながら世界的至宝に別れを告げた。 外に出てぐったりと頭をもたげるその様は、まさにダリの作品に表れるあのぐにゃっと湾曲した時計そのものに他ならなかった。
by carr-log
| 2006-10-18 23:51
| 芸術
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